夜明け前より黒色な

緊急速報!



今部屋にゴキブリが一匹いる




2:10
明日キノ大佐が来ると言うことで少し部屋の片付けをする。なかなか広くなった部屋を満喫。
風呂上がり自室に戻りふと床に目をやると黒光りしたヤツの姿を捉える。
さっきから何か変な音がするとは思っていたがまさかその正体がゴキブリだったとは…自分でもゴキブリではないだろうかと思っていたのでそれ程の衝撃はない。
それに余裕があった。なぜなら夏にセミに吹きかけたキンチョールがまだ部屋に起きっぱなしだったからだ。すかさず手に取りゴキ目掛けて噴出。あたりはキンチョールの臭いと煙が立ち込める。


2:12
苦しみ逃げ惑うゴキは負け戦だということを悟ったのか2Pコントローラを汚染。黒色だったので仲間と間違えたのかもしれない。
そして勇敢に立ち向かうゴキハンターの足を狙って突進するも奇声を上げながらベッドの上に緊急回避をされ、そのままベッドの下に身を隠す。

ハンターは自分の挙動によりめくれたマットを見てふと昔思い出した。
それは小学校三、四年の頃の話でうとうとと居間で寝ていたら家族が騒ぎ出し目を開けると自分のふくらはぎにゴキブリの姿があったのだ。
今でも鮮明にヤツの足のディティールは覚えている。カブトムシよりも細くてトゲトゲしい足だった

ゴキブリには恐怖感よりもとにかく殺してしまいたい感情に駆られるのはそのせいかもしれない


2:16
昨日の大量ゴキブリに大爆笑していた自分だったが物事は遠くで見ると喜劇、近くで見ると悲劇だと最近読んだ漫画の一文を思い出した。まさにその通りだ
そのとき再びゴキブリの来襲。ベッド脇に積み上げられたファミ通の角でこちらの様子を窺っている。
キンチョール噴出。
「苦しみもがきながら死ね!」
日頃からゲームをやりながら独り言を言う癖があるハンターはヤツに言い放った。
ゴキ再びベッドの下に逃走


2:18
ベッドの下を携帯のライトで照らしてみるがヤツの姿は見つからない。ベランダからベッドの下を覗くなどをしたがやはり見つからない。
昔のようにベッドの下の引き出しを出し、マットと板を取らなければならないのだろうか。ハンターはめんどくさがりなので早く見つかってくれと頼んだ


2:23
ついにベッドの角で奴の姿を確認。しかも余程弱っているのかひっくり返り生に執着しているか手足をばたつかせている


2:25
今日ゴミ袋に捨てたばかりの新聞紙を取り出すと広げ弱っているヤツを包みゴミ袋に。
昔だったらその包んだ新聞をライターで燃やし火炙りの刑に処していたが今はそんなことはできないので誠に残念だ。(実際ムカデとかやってた)

封を縛り部屋の脇に置く。明日はゴミの日だ。すべてのミッションを終え安堵の表情を浮かべたそのときだった
中からカサカサ音がする!


2:28
慌ててガムテープで隙間を埋めるも中では動き回る死神の足音が。
やけくそとキノ大佐にゴキブリを写メしたものを添付し今起こっている恐怖体験を綴ったメールを送るも返信未だに来ず


3:30
現在もその元気な足音は止まない






まとめ
お菓子を開けたまま放置しない。